執筆者:酒井勇貴(合同会社クレイジーコンサルティング 代表社員)
こんにちは。合同会社クレイジーコンサルティングの酒井勇貴です。
補助金申請のご支援をする際、私が最も強調するのが、
- 事業計画名(タイトル)
- 事業計画の概要(要約)
に全身全霊を込めて欲しいということ!
【お知らせ】
なぜなら、たった30字程度の事業計画名と100字前後の概要で採択可否の運命のかなりの部分が決まってしまうからです。
もう、ここで「マイナスイメージ」を審査員に抱かせてしまったら、いくら本編の内容が良くても逆転するのが難しいのです。以前のブログでもお伝えしましたが、例えば「ものづくり補助金」であれば、審査時間は1社あたり20〜30分程度と思われます。そう、みなさんが思っている以上に、審査時間は短いのです。
その短い審査時間の中で、
「あ、これはダメそうだな。。。」
という印象を最初の「事業計画名と概要」で与えてしまうと、その印象のまま読み進められてしまうのです。審査員は公平・公正にジャッジメントをしようとしていますが、審査員も人間です。マイナスイメージというものは、尾を引くものなのです。
だから、とにもかくにも、事業計画名と概要で
「これは期待できる!良さそうだ!!」
と審査員に思わせなければいけないのです。
では、一体どうすればいいのでしょうか。。。
事業計画名に「・・・」を使ってはいけない!
まずは、事業計画名です。だいたい、補助金の類は30字程度となっていることが多いですね。ここで注意していただきたいのは、30字”程度”なのか30字”以内”なのかです。
30字以内の場合は、30字以内にしなければなりません。オーバーしていても採択されるのですが、なんらかの減点(マイナス要素)が入っていると思っていたほうがいいです。
そして、すべてにおいて優先される鉄則は、
「固有名詞・専門用語・業界用語を排除せよ!」
です。
実は多くの方が、少ない字数で表現しようとするあまり、自社の商品名や難解な専門用語・業界用語などをタイトルに入れてしまうのです。
でも、よく考えてください。
審査員は、貴社の商品名など知りません。この時点で審査員の心は、あなたの書いた申請書から離れてしまいます。専門用語・業界用語など、わからない言葉を目にした時点で、やはり審査員の心は、あなたの書いた申請書から離れます。
そう、補助金申請書で重要なのは、
「わかるか or わからないか」
なのです。
もちろん、固有名詞・専門用語を使うという判断をするときもあります。でもそれは、固有名詞・専門用語自体に
”イメージしてもらえる力”
があるときに限ります。
たとえば、金属加工の世界には”ワイヤーカット”という用語(加工法)がありますが、これは少し加工のイメージが湧く用語です。この専門用語に少し説明表現をつけるだけで、だいぶ飲み込みやすい表現にもなります。
たとえば、
「航空業界向け高硬度金属の高精度ワイヤーカット技術の確立」
という感じでしょうか。
とにかく、基本となる鉄則は、
「固有名詞・専門用語・業界用語を排除せよ!」
これは、すべての補助金申請書に共通する原理原則です。
事業計画名を補助金の対象に合致させよう!
たとえば、わかりやすい例は「小規模事業者持続化補助金」です。小規模事業者持続化補助金は、以下の取り組みをする小規模事業者が対象です。
小規模事業者が、商工会議所・商工会の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って販路開拓に取り組む費用の2/3を補助します。
ここで重要なのが
「販路開拓に取り組む」
という記述です。
この補助金は、そもそも「販路開拓に取り組む」でなければ補助金の対象ではありません。
なのに、よく見られるのが
「販路開拓とは到底思えない事業計画名」
になっているパターンです。
もう、この時点で「対象外の事業」と思われてしまいます。
無難なのは、事業計画名の語尾を
- 「・・・の販路開拓」
- 「・・・の販路拡大」
- 「・・・の新規開拓」
というように補助金の対象・趣旨のキーワードを織り込んでおくこと。たったこれだけで、最初のマイナスイメージを払拭できるのですね。
概要は”独りよがり色”をゼロにしよう!
例えば”ものづくり補助金”の場合、概要でいちばん審査員がシラけるのは、端的に言えば
「こんなことがしてみたいので新しい機械が欲しい」
「この機械はもう古いので新しいのが欲しい」
という自社都合の”独りよがり色”の強いストーリーのものです(ものづくり補助金の場合、そもそも”設備更新”は対象外です)。
当たり前ですね。
なぜなら、補助金は貴社の私利私欲を満たすものではないからです。
ここで重要なのは、
- 対象市場・顧客
- 求められている背景・理由
- 貴社の新たな取り組み
をもれなく書いておくことです。
特に重要なのが
「求められている背景・理由」
です。ここで、独りよがりではなく、
「具体的なニーズに応える事業(取り組み)」
であることをアピールするのです。
容易に想像できると思いますが、100字程度でこれらを網羅するのは、かなり骨の折れる仕事です。私たち補助金支援の専門家も、実はこの100字程度の概要作成にすごく時間をかけているんですよ。
もしあなたが、補助金がなかなか採択されないで困ってるのなら、この「事業計画名と概要」だけでもこだわってみてください。
グッといい申請書になると思いますよ!
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