クレイジーコンサルティングのWeb Journal|酒井勇貴

懸命に働く人と組織の”サクセスストーリー”を考えるWeb Journal

明日から実践できる人材育成のポイントとは?

執筆者:酒井勇貴(合同会社クレイジーコンサルティング 代表社員

 

 こんにちは。同会社クレイジーコンサルティングの酒井勇貴です。

 「勝つための作戦を考えて勝てる人材を揃える」

 これは、経営者(幹部・管理職含む)がやるべき最重要業務です。

 しかし、現場の叩き上げでビジネス力を磨き上げてきた中小・小規模事業の経営者の多くが、自分以外の誰かにもわかるように

 「成果をあげるための仕事のやり方・考え方」

 を伝えるのを苦手としています。 

人材育成 ポイント 教え方 率先垂範

 今日は、そのような苦手意識のある方でも実践可能な“人材育成のポイント”をお伝えします。

 

 

“人材育成”ができない経営者・管理職は会社を潰す

 まず、大前提として

 「“人材育成”ができない経営者・管理職は会社を潰す」

 ということを理解しておく必要があります。

 なぜなら、少子化で採用難(売り手市場)の現代においては「今いる人材で勝つ経営をする」という考えに成らざるを得ないからです。

 ”代わりはいくらでもいる”

 という考えは、もうできない。

 今いる人材を“成果を出せる人材”に育てなければならないのです。

ポイント①:人材育成における”ティーチング”の基本は“率先垂範”である!

 教えるという行為(ティーチング)の基本は

 “答え”ではなく”考え方”を教える

 ということです。

 つまり、数学で言えば“式”の意味や展開方法を教えるということです。

 よく

 「全部教えると部下が考えなくなるから、いちいち丁寧に教えたりはしない」

 という教育観をもっている人がいますが、これは間違っています。

 こういう考えの人の多くは、部下に“式”ではなく“答え”を教えているのです。

 正確には“答えを指示しているだけ”なのです。

 人は、誰もが、

 「できるようになったら、もっと上手にできるようになりたい」

 という心理をもっています。

 「教えたら考えなくなる」

 なんてことは絶対にありません。

 丁寧に“できる感”が手に入るまで考え方を教えることが大切なのです。

 そこで重要になるのが“率先垂範”です。

 率先垂範とは

 ”人の先頭に立って物事を行い、模範を示すこと”

 を指し示します。

 そうです、教え方の基本は、成果を出すためのやり方・考え方の“お手本”をあらゆる手段を講じて示して伝え尽くすことなのです。

ポイント②:部下に”丁寧に教えること=甘やかし”ではない!

 そして、これを

  • 「今の若い世代はここまでしないとダメなのか?」
  • 「これだからゆとり世代は・・・」

 という視点で見てはいけません。

 大日本帝国海軍の軍人で26-27代連合艦隊司令長官山本五十六氏は、人材育成について以下のように述べています。

山本五十六 人材育成

 大変な時代を生きた山本五十六氏の教育観は、まさに“率先垂範”なのです。これが、甘やかしでもゆとり世代向けでもないことは明白ですね。

部下はあなたの“弟子”ではない!「俺の背中を見て俺みたいになれ!」は絶対に通用しない!

 先に述べた

 「成果を出すためのやり方・考え方の“お手本”をあらゆる手段を講じて示して伝え尽くす」

 というのを

 “俺の背中を見て技を盗め(俺みたいになれ!)”

 ということと同義であると理解してしまうと人材育成で失敗します。

 このような“俺の背中を見て技を盗め(俺みたいになれ!)”というのは、典型的な“弟子”に対するマネジメントです。

 つまり、師匠に対する“憧れ”があって初めて機能します。

 しかし、残念ながら多くの場合、従業員は“あなた”に憧れて入社しているわけではありません。

 もっと言ってしまえば、残念ながら

 「あなたみたいになりたくない」

 と思われているのです(汗)。

 “俺の背中を見て技を盗め(俺みたいになれ!)”

 が機能するわけがないのです。

 従って、こちらから歩み寄り、懇切丁寧に教えなければならないのです

 もし、あなたが

 “弟子”に対するマネジメント

 をしたいのであれば、解決策はただひとつ。

 それは“あなた自身”が部下から憧れの眼差しを向けてもらえる人間になるだけです。

見るべきポイントを具体的に伝えよ!

 “率先垂範”の手段として、例えば自分が仕事をしているところを部下に見てもらったとしましょう(自分の営業に部下を同行させる等)。

 その時、「隣でよく見てメモしてね!」と言っても、部下は何の学びも得られないと思ってください。

 実は、人間はこのような抽象的な表現(6W2Hが欠落した情報)は理解できないのです。

 ただ、ぼーっと見て、なんとなくメモを取っているだけなのです。従って、最低限、

  • そもそも、なぜ見なければならないのか?
  • 特にどこを見なければならないのか?
  • 何をどれくらい見なければならないのか?
  • 誰が誰に対して話す内容を見なければならないのか?
  • いつ、どのような時に使う内容を見なければならないのか?
  • 見た内容を、いつ、どうやって使えばいいのか? 

 などの情報を、前もって相手に伝えておく必要があるのです。そして、メモの内容などを見ながら、気づきの共有や不足点の補足などをしてあげるのです。

基本は“文書化・音声化・映像化”である!

 しかし、上述のような丁寧な“率先垂範”は、忙しい毎日の中ではなかなか難しいものです。

 そこで、やはり重要になってくるのは、基本的な仕事の進め方等を“文章化”しておくということです。

 端的に言えば“何をどの順番でやればいいのか?”を記したチェックリストやマニュアルを作るということです。

 しかし、これもまた面倒な仕事です。そこでおすすめなのが“音声化・映像化”です。

 例えば、テレアポのやり方を教えようとした場合は、一番テレアポが上手な部下の電話を全て録音して、一番テレアポが下手な部下に全部“文字起こし”をしてもらうのです。

 これで、テレアポトークスクリプトがひとつ完成というわけですね。

 あと、事務や製造などでは、一番ミスが少ない部下の一連の動作・作業を全てスマホ等で録画して、これを全員で見返すのです。

 そして、真似できそうなコツ・方法などをピックアップして“TTP”をするのです(TTP=徹底的にパクる)。

 このように、

 「成果を出すためのやり方・考え方の“お手本”をあらゆる手段を講じて示して伝え尽くす」

 を愚直に実践するとした時、とにかく手段を選んではいけないのです。

まとめ

 正直に言ってしまうと、人材育成の基本は山本五十六の言葉に全て詰まっています。

 教え方の基本は、成果を出すためのやり方・考え方の“お手本”をあらゆる手段を講じて示して伝え尽くすこと。

 そこで手段を選んではいけません。

 明日からの部下との向き合い方で、お役に立てば幸いです(^^)。