執筆者:酒井勇貴(合同会社クレイジーコンサルティング 代表社員)
こんにちは。合同会社クレイジーコンサルティングの酒井勇貴です。
この2月の中旬から下旬ぐらいに始まると言われている皆さんお楽しみの
”ものづくり補助金”
に関して、今から準備ができることをお伝えしたいと思います。
【お知らせ】
今出ている情報だけで判断すると、おそらく昨年とほとんど変わらないルールでものづくり補助金が始まると思います。
加点項目も審査項目も、ほとんど変わらないと思います。
なので、今から準備できることはすぐに準備を始めた方がいい。
今日は、今から準備できることで、かつ採択率をマックスにまで引き上げられる。
そんな準備項目を皆さんにお伝えします。
- ものづくり補助金で購入予定の設備のパンフレット・見積書をすぐに入手しよう!
- 賃金台帳か源泉徴収票で確実にものづくり補助金の加点項目を押さえる!
- どうせ買うのだから、ものづくり補助金用に”フラットファイル”を今すぐ買っておく。
- 先端設備導入計画はものづくり補助金の”最重要加点項目”として捉えよ!
- まとめ
ものづくり補助金で購入予定の設備のパンフレット・見積書をすぐに入手しよう!
まず、購入予定の設備のパンフレット・見積書を入手しましょう。
本来は、申請時点ではパンフレットは無くても大丈夫なのですが、採択後に提出が求められ、これのせいで事業着手が遅くなる場合があります。
なので、申請の段階で揃えておくのがベスト。
このパンフレットなんですが、多くの企業様が申請のぎりぎりのタイミングになって集めようとする傾向があります。
悪いことは言いません。決まったらすぐに入手しましょう。
なぜなら、メーカーさんの方でそれなりに時間がかかったりする場合があるからです。
購入予定の設備が決まったら、すぐにパンフレットを6部集める。
これが、一番皆さんとって負担が少ない方法です。
見積書は支払い方法と有効期限に注意!
もちろん、見積書についてもすぐに入手しましょう。
この見積書にも注意すべきことがあります。
それ何かと言うと、見積書に記載する支払条件です。
これはもしかしたら、通常であれば手形で支払っていたりするかもしれませんが、ものづくり補助金の場合は必ず”現金振込”で書くようにしてください。
これは公募要領にも書かれているルールなのです。
そして見積書の有効期限にも注意が必要です。
ものづくり補助金に関しては、見積書を有効期限を可能であれば10月以降まで引き伸ばしておくことをお勧めします。
なぜなら、この期間が短いと、採択後に再提出を求められる場合があるからです(平成20年度の公募要領には”9月以降まで有効なもの”という記述がありましたね)。
そして、併せて相見積もり先も見つけておきましょう。
申請の段階では相見積もり必要ないのですが、採択後に相見積もりが必要になります。
またどうしても相見積もりが取れないものに関しては、
”選定理由書”
というものを付ければ相見積もり必要ないのですが、どうやらですね、、、これはオフレコなのですが、実は事務局によっては
「何が何でも相見積もりを取れ!」
って言ってくる場合があるようなのです。。。
なので今から相見積もりをお願いできる先を見つけておく。
これも今からできる大事な準備です。
賃金台帳か源泉徴収票で確実にものづくり補助金の加点項目を押さえる!
そして二つ目が賃金台帳です。
おそらく、今回のものづくり補助金も例年同様で賃上げが加点項目になるはずです(以下の引用は平成29年度補正予算のもの)。
(1)総賃金の1%賃上げ等の実施状況について(すべての事業類型) 給与総額を上げた又は上げる企業・処遇改善するため、以下のいずれかの取組みを行っている場合は、該当箇所に☑を付し、その内容を具体的に説明してください(該当しない場合は記載する必要はありません)。
また、研修の実施、賃金アップの比較等の証拠書類(源泉徴収票の写し、領収書、賃金台帳、賃上げの従業員への表明を証する書類。又は、給与台帳、決算書類等、企業全体の給与総額がわかる書類でも可)を添付書類として必要部数提出してください。
※ 以下の各年については、決算期ベースの事業年(又は事業年度)を元に算出しても可。
□ ① 企業による従業員向けの教育訓練費支出総額(外部研修費用、資格取得・技能検定の受験料、定時制高校や大学の授業料などに対する企業による補助総額)が給与支給総額の1%以上である企業
□ ② 以下のいずれも満たす賃上げを実施している企業
・ 平成29年の給与支給総額が、28年と比較して1%以上増加
・ 平成30年の給与支給総額を29年と比較して増加させる計画
□ ③ 平成30年の給与支給総額を29年と比較して1%以上増加させる計画を有し、従業員に表明している企業
この加点項目を満たさなかった場合、ものづくり補助金の採択の土俵には乗らないと思っていいと思います。
この賃上げの加点項目なのですが、実は加点の条件を満たしてないがために、チェックを入れていたにも関わらず”加点されていない!”というケースが思ってる以上に多くあります。
まずこの加点項目を押さえる上で大事なのは
”賃上げのエビデンス”
をしっかりつけるということです。
このエビデンスなんですが、申請書には決算書二期分付けますので、この数字をもって賃上げしていると示することができれば問題ありません。
でも、私のおすすめは、可能な限り
- ”2年分の源泉徴収票”を全て添付する
あるいは
- ”2年分の賃金台帳”を全て添付する
ことです。
なぜこのような方法が必要かと言うと、実は審査員によっては賃金台帳や源泉徴収票はついていないと
”加点項目を満たしていない(十分でない)”
と判断してしまう人がいるからです。
本当は決算書の数字だけでも問題ないのですが、念には念を入れて源泉徴収票あるいは賃金台帳をつけることを私はお勧めしています。
そして、
”賃上げの計画”については”チェック”をいれるだけではダメです。
”計画を有し、従業員に表明している企業”
と書いてありますので、計画があって、しかもそれが従業員に知られているような形になっているということを示さなければいけないのです。
ものづくり補助金の”賃上げの従業員への表明を証する書類”とは?
では、どうやって示せばいいでしょうか?
簡単なのは、従業員説明会の”議事録”を付けることです。
例えば来年の賃上げに関して、会社全体で1.2%ぐらいの賃上げを計画しているとします。
もちろん、これだけではダメで、いつに、どれぐらいの賞与、いつに、どれぐらいの賃上げ、など、このようなこと全従業員に宣言する
”従業員説明会”
を開くのです。
そして、この従業員説明会を行ったことを示す”議事録”を残す。
この”議事録”には、各部署の責任者(部長クラス・課長クラス)の
”回覧チェック欄”
を作っておきます。
そして、部長・課長クラスに捺印をしてもらう。
これで、賃上げ計画が社内で既に公表されている事実であるという”エビデンス”になります。
そう、ここまでしないと加点にはならないのです。
どうせ買うのだから、ものづくり補助金用に”フラットファイル”を今すぐ買っておく。
そして三つ目がフラットファイルです。
フラットファイルは、申請書をファイリングするためのものです。
「ファイルなんて何でもいいじゃないか!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは公募要領に書いてありまして、
「フラットファイルに閉じなさい!」
って書いてあるんです。
しかも
”紙製のフラットファイル”
です。
ここで良かれと思って
- 高級感のある光沢のあるファイル
- しっかりとした樹脂製ファイル
を使うと、厳しい場合この時点で”不採択”となります。
なぜなら、形式的な要件を満たしていないからです。
”決まり事に忠実になる”
ということです。
こういうところで変に工夫を凝らす必要ありません。
ちなみにこれは私の推測ですが、紙製のフラットファイルにこだわる理由。。。
それは、おそらく何年か保管した後に”焼却処分”をするからではないかなと考えています。
先端設備導入計画はものづくり補助金の”最重要加点項目”として捉えよ!
そして最後が先端設備導入計画です。
この先端設備導入計画は、正直言うと認定をもらうこと自体は極めて簡単です。
A4で2枚ぐらいの書類に、どんな設備を導入してどれぐらい生産性を上げたいのかを書くだけです。
ものづくり補助金の申請書類に比べれば、もう1/10や1/20ぐらいの負担です。
書き方に関しては、皆様の市区町村の経営相談窓口、あるいは公的な支援機関でも書き方教えてもらえます。
これはとても簡単ですので、私のおすすめは専門家にお願いするのではなく自社で作成・提出すること。
そのぶん、専門家にはものづくり補助金の申請書をしっかり仕上げてもらうことに時間を使ってもらった方がいいと思いますよ。
ちなみに、この先端設備導入計画は、昨年は1/2補助を2/3補助に引き上げる大事な要素にもなっていました。
ここで、
「いや、当社は1/2補助のままでいいので、先端設備導入計画は申請しませんでした」
という企業のほとんどが不採択になりました。
なぜかと言うと、先端設備導入計画の加点の”点数”が、我々が想像していた以上に非常に非常に高い点数だったんです。
なので、
- 1/2補助のままで良い
- 2/3補助にしたい
という基準ではなく、とにかく
”加点のため”
という観点から、先端設備導入計画は必ず出すようにしてください。
もうこれがないと採択の土俵には乗らないと思っていいと思います。
なお、前回の”ものづくり補助金”で先端設備導入計画を申請していたとしても、平成30年度補正予算の”ものづくり補助金”では、今回の申請に合わせて改めて先端設備導入計画を申請する必要があるようです。
もう購入する設備が決まってるであれば、今から申請の手続きを始めましょう。
これは皆さんの会社でも十分に対応できます。
まとめ
今年も、おそらく2月の中旬・下旬から”ものづくり補助金”の公募が始まります。
例年通り、いや例年以上に短い申請期間となるでしょう。
ですから、今から準備できるものは準備していきましょう。
その典型的なものが、機械のパンフレット・見積書、賃金台帳・源泉徴収票、フラットファイル、そして先端設備導入計画の申請です。
今から準備を始めて、なるべくスムーズに補助金申請ができるようにしましょうね (^^)。
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